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松田修税理士  インタビュー記事

池田透税理士
「経営者というのはオールマイティを求められるものです。
たとえ財務のことが嫌いでも向いてなくても勉強しなければ生き残れないですよ」

麻布ブレインズ・スクール / 松田会計事務所
代表 松田修 先生
学校法人村田簿記学校の講師を経て、財務・税務のプロ集団「公認会計士辻会計事務所(現辻・本郷税理士法人)」に入所。6年間で、主に法人税、資産税、財務分析を担当。その後、平成5年に独立し「税理士松田会計事務所」を設立。現在は、簿記・税務・パソコン財務会計主任者の専門スクール「麻布ブレインズ・スクール」代表でもある松田修氏に、経営の「勘どころ」を聞いた。
●インタビュー内容

1.現在の活動について
2.なぜ会計の道を志したのか?
3.著書「会社のお金がとぎれない!現ナマ経営」について
4.麻布ブレイン・スクールについて
5.経営者に求められること
6.大事なのは「何事にも熱意を注ぐこと」
7.今後の期待と要望

1.現在の活動について


●ホームページを拝見しましたが、かなり広範囲に活動されていらっしゃいますね。
今は会計事務所としての業務が半分、セミナーと執筆活動が半分、といった感じですね。
代表を務めております「麻布ブレインズ・スクール」では通学と通信コースを通じて税務と会計についてお伝えしています。
麻布ブレインズ・スクールHP:http://www.azabu-brains.co.jp/

●麻布ブレインズ・スクール開校のきっかけは?
以前から人にものを教えるという事が好きだったので、会計に関するセミナーを開催してみたいという思いはずっと持っていました。
ですが、いざ開催してみようとすると難しい。ちょうど大手の銀行さんが経理担当者や経営者の方に向けたセミナーを開催しているのは知っていましたので、講師として参加できないかアプローチしてみましたが、過去にセミナー講師の実績がなかったもので相手にされませんでしたね。
だったら自分でやっちゃおうと思いまして、学校の形式をとって「麻布ブレイン・スクール」を開校しました。

●セミナー開催のために学校を創ったのですか!?すごい発想ですね。
まあ、セミナーだけの目的というより、教える場をつくるのが目的でしたので。
それで運営していくうちに、ある程度教材が充実してきましたので「もう一度チャレンジしてみようかな」と思い、アプローチしてみたところ、SMBCコンサルティングさんがやってみましょうという話になりまして。
で、開催してみたら結構評判が良くてですね、定期開催させていただける運びになったんですね。それでだんだん他のセミナーからも講師依頼が来るようになっていきました。


2.なぜ会計の道を志したのか?

●どうして税理士という職業を選択されたのですか?
あまり大きな声では言えませんが、サラリーマンになりたくなかったのです。そこで、資格を何か取ろうと思いまして、比較的数学が好きだったのと、結構得意でもありましたので、よし、税理士試験を受けようと決意しました。
二十歳くらいから村田簿記学校の講師をはじめて、自分も勉強しながら簿記を教えていました。そして23歳のときに税理士試験に合格しました。

●資格を取得する前から「先生」だったわけですね。
教え好きな性格はそのころからすでにあったと思います。税理士という職業に対しては、父親の友人が税理士だったこともあり、なんとなくイメージできていました。
もちろん試験勉強は大変でしたが。資格を取ってからは辻会計事務所にお世話になりました。(※現在は辻・本郷税理士法人になっています)

●独立される際は苦労されたと思いますが?
実はそんなに苦労していないんです。辻会計が大きな事務所だったので、あまり小さな案件はやらなかったので、そこを紹介してもらったり、いろいろ便宜を図っていただきました。
独立時に仕事に困った経験というのはありません。私は独立まで6年間辻会計に在籍していましたが、昔の話を聞くと、1年くらいで独立している先輩が多かったようです。
辻先生も、「これは修行期間だから、修行が終わったら独立しなさい」という方針でした。最近は勤務税理士が独立するまでの期間がもっと長くなっているようですね。

●若い税理士の先生がなかなか独立しないのはなぜでしょう?
よく不景気とか時代とか引き合いに出す人がいますが、私はそうは思いません。そんなこと言っていたらいつまで経っても独立できないですよ。
私の場合ですが、独立しようと決意してからは、先輩の事務所を結構回りました。いろんな人の話を聞いて参考にしたものです。最近はそういう人が少ない。ネットでなんでも情報が手に入るわけでもないと思うのですが。
うちの事務所だって、訪ねて来れば何でも教えてあげるつもりですが、誰も聞きにこない。人間やろうと思えば何でも出来るのに、やろうとしないだけ。行動力が足りないから時間がかかっているのだと思います。


3.著書「会社のお金がとぎれない!現ナマ経営」について


松田修税理士
●かなり大胆なタイトルですね
よくよく考えてみると、ちょっとタイトルが上手くなかったかなと思います。これだと現金経営を推奨する内容だと勘違いされるのではないかと。 まあ、現金経営に越したことはないのですが、業種によっては無理な場合も多いので、無理にそこを目指す必要もない。タイトルを付け直すなら「決算書が教える資金繰り改善のコツ」の方がいいかな?

●私も拝見させていただきましたが、確かに資金繰りがテーマでした
経営者の悩みを聞く機会が多いですが、「なんでお金が残らないのだ」という人が多い。PL(損益計算書)を見たがる社長は多いのに、BS(貸借対照表)にはあまり興味がない。 そこに問題があるから資金繰りが上手くいかない人がほとんどなのに。そこで、BSをなんとか分かりやすく理解してもらおうと思って執筆しました。
●図解が多くて分かりやすかったです
キャッシュフロー計算書などの経営分析が流行っていますが、その前にBSを理解する方が先なんですよ。財務の危険を知らせるアラームは売上の減少だけではない。 そこの見極めが出来る知識があるかどうかで会社の資金繰りは変わってきます。ですので、短時間でもパっと理解できるように工夫してあります。

●経営者は知っておかなければならない事ですからね
知っているだけではダメです。実行しないと。本を読み終わって「ああ為になった」で終わってしまっては本当に時間の無駄です。コツさえ飲み込めば出来ることばかりですから、まず実行していただきたい。
自分の会社の問題点くらいは自分で分からないと経営とは言えないですよ。2代目の社長さんで、事業継承をきっかけに問題点を洗いなおす人も多い。できるところから取り組んで欲しいと思います。


4.麻布ブレイン・スクールについて


●こちらはどのような方が対象になりますか?
経理のお仕事をされている方のスキルアップを目的としています。ホームページにも記載していますが、ただ単に簿記の勉強をするのではなく、会計スキルの全てを体系的にマスターしていただいて、トップ1%の経理担当者になって欲しい、そういった想いで税務と会計をお伝えしています。

●知識がなくても大丈夫ですか?
そういった方向けのメニューも用意しています。知識がないから不安になり、不安になるから苦手意識がうまれる。数字ひとつひとつの意味を理解していけばいい話です。レベルに応じて分かりやすく、やさしく解説していきますから、みなさんあっという間に力がついていきますよ。
そうなってくると楽しくなりますから、さらに覚えるスピードが早くなるものです。大丈夫です、心配ありません。


5.経営者に求められること


●ご自身もスクールの経営者として活動されておられますが
1998年頃にパソコン財務会計スクールのクラスをきっかけにパソコンスクールに発展していきまして、ちょうどパソコンブームでしたからすごく当たったんです。好調だった時期は毎月コンスタントに収益をあげていました。でも、これは危ない兆候だった。もしその時に調子にのって規模を拡大していたら、今頃破産していたと思います。事業は登りのエスカレーターに乗っているときはどんどんいい方向に進みますが、エスカレーターが下りになったら?同じようにどんどんマイナスの方向に進みます。その辺の見極めも大事です。


松田修税理士
「執務中の松田先生」
●経営者に求められることとは何でしょう?
何というより、全てと考えていた方がいいでしょう。経営者はオールマイティでなければいけません。営業が強くてどんどん売上を伸ばしていっても、それ以上にお金を使ってしまえば会社は潰れてしまいます。財務が弱かった、ということですね。
そう考えるとまず「財務」でしょうか。嫌いでも苦手でも勉強しないと経営はきつい。多くの会社は2年くらいで倒産に至るというデータがありますが、これは財務に問題があるか、ビジネスモデルに問題がある場合のどちらかです。
次に人の管理。私も実はあまり得意なほうではないので、10人以上の組織管理はやりたくないですね。さきほど2年くらいで倒産する話をしましたが、10年くらいすると組織拡大や人の問題で会社がおかしくなって倒産する場合が多くなるのです。だいたい8~9割の会社はそうして潰れてしまいます。組織拡大というのはそれくらい難しいのです。人によって向き不向きがありありますから、慎重になって欲しい。よほど代表にカリスマ性があれば別ですが。

●熱意さえあれば大抵の問題は解決すると思っていました
事業を起こすのには熱意は必要なのですが、それを継続させるのが難しい。初年度の経営計画を立てているときは楽しいですが、2年目にその予定通りいっていないと挫折してしまう。始めは経営計画を細かく考えるよりも、まず売上を上げることが先。そして資金繰りがちゃんとしていれば自然と計画に近づくものです。いきなり高いレベルの経営計画を求めても、行動につながらないですよ。基本から始めたほうがいい。

●まず何から始めればいいのでしょう?
勉強ですね。勉強すれば必ず成功するわけではありませんが、成功している社長はもれなく勉強家です。経営における問題点がはっきり分かるかどうか、それが大事なのです。ちゃんと問題点を把握していれば対処できる。その方法は勉強するしかないのです。社長は勉強する機会があればどんどん外に勉強しに出て行くべきだと思います。

6.大事なのは「何事にも熱意を注ぐこと」

松田修税理士
「障害馬術競技に出場」
●勉強にも熱意を注がなくてはいけませんね
勉強だけじゃないですよ。何をするにも熱意を注ぐクセをつけるのが大事です。私事で恐縮ですが、6年くらい前から趣味で乗馬を始めたんですね。主に山梨のほうでやっているのですが、今では1メートルくらいの障害も飛べるようになりましたし、地域の大会で優勝するまでになりました。もちろん簡単な道ではありませんでしたよ。そうとう落馬を経験しましたが、熱意を持ち続けて継続した結果が今になってやっと出ているんだと思っています。もともと運動神経が良かったわけではなかったですから、何度もくじけそうになりましたが、結果が出てくるようになるとより熱意が増す。それで楽しく続けることができたのです。仕事でも趣味でも熱意を注ぐ習慣をつけることをおすすめします。ちなみにボーリングも苦手でしたが、今ではアベレージ190くらいです。


7.今後の期待と要望


●これからの展開についてお聞かせください
以前から少人数の経営者に対するセミナーをやりたいと考えていたのですが、会場費や運営費など計算すると4~5名のセミナー開催で一人当たりの参加費が10万円くらいになってしまう。 ジャパンオフィスコンサルティングさんが定期開催している「税活セミナー」がちょうどいい規模感なので、ぜひ共同セミナーをお願いしたいですね。

●ありがとうございます、ぜひお願い致します。どのような内容をお考えですか?
社長が財務に苦手意識を持っているのは、簿記の勉強の入り口が難しいからです。だから興味がなくなって、決算書の見方もよく分からなくなって、結果資金繰りが上手くいかなくなる。ですから、「社長のための簿記講座」を分かりやすく、やさしくお伝えすることで、まず財務に対する苦手意識をなくしてもらおうと。実際に決算書を持参してくれれば、個別にアドバイスしますよ。決算書を見ればある程度の問題点は発見できますから。

●なるほど、知らなくて損をしている場合も多いですからね
そうなんですよ。知らない事で発生する不利益ほど無駄なものはありませんから。非常にもったいない。セミナーがきっかけで資金繰りが改善されれば、財務の重要性を理解してもらえると思いますね。

●では共同セミナーの企画はありがたく進めさせていただきます。本日は色々とお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。