※リスクマネジメントとは「危機予防」という考え方です。
福島第一原発の事故(事象と表現されているようですが)について、
毎日のように危機管理報道がなされています。
被害を食い止め、危機状態から通常の状態に戻すための
「クライシスマネジメント」は順調に機能しているように見える一方、
ネット上では批判の声が大きいようです。
寝食もままならず、危険な現場で作業されておられる方が沢山いらっしゃるのに、
どうして批判されるのでしょう?そこには「リスクマネジメントの甘さ」が垣間見えます。
まず情報公開のあり方です。先日の読売新聞によると、気象庁は地震以来、原発から出る
放射性物質の拡散予測を行っているのに、政府が公開していなかったことが報道されています。
(参照:読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110404-OYT1T00603.htm )
確かに、重大な危険を含むデータではなかったかも知れません。ですが、問題なのは
「なぜ公表しないのか?」という点にあると思います。
この事実を知った私たちはこう考えます。「では、どのくらい危険になったら公表するのか?」
「そもそも隠すつもりだったのでは?」、「もっと隠している情報があるのでは?」と。
こういった不信感が重なることで、現在懸命に行われている危機管理も何となく信用できず、
被曝に関する誇大解釈、デマなどの風評被害、対応への不満、、、等々に繋がっているのではないでしょうか。
さらに、楽観的な予測を繰り返した事実があります。国は原則として、「原発施設は絶対安全」という考え方を一環して貫きつづけ、あわやという事故が起きても、その姿勢を変えませんでした。また、施設の作業員、検査員の求人はハローワークなどでなされていましたが、募集年齢、資格、経験、学歴、すべて不問です。そんなに簡単な仕事だとは思えないのですが。結果、「想定外」の事象が次々と起こったり、人的ミスと疑われるような事実が発覚しています。
また、日本人の気質も関係しているのかも知れません。
津波に関してもそうなのですが、私の地元、三陸地方では過去に繰り返し津波被害を経験しており、町のあちこちに「ここまで津波が到達した」という表示がありました。山中にも、「ここより下に家を建てるな」という石碑が点在しています。私も子供のころから目にしてきましたし、周期的に地震、津波災害が起きているのは郷土の歴史を学んで知っていたはずでした。ですが、実際に今回のような被害が起きるという発想はまったくと言っていいほどなく、たまに地域広報が津波警報を出しても、誰も避難しなかったりと、危機予測は相当甘いものでした。
実は原発のトラブルは以前からたびたび起きており、かつ、地震研究の識者からは、周期的に大地震が発生する予測、原発災害の不安要素はずっと提言されていたのです。まるでリスクマネジメントの対象外でもあるかのように、人々の関心事から外れていただけです。高速増殖炉「もんじゅ」の事象報道について、2010年8月に真剣に話し合った人がどれだけいるでしょうか。最近になってネットで話題になり知った人がほとんどではないでしょうか。
(参考:ウィキペディア「もんじゅ」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85 )
もうマスメディアもネットでの情報拡散力は無視できません。逆に、情報を受け取る側の私たちは、その真贋も含め、しっかりと分析、予測をしていかなければなりません。もう「想定外」では済まされないのです。個人においても、法人などの団体においても同様です。危機予測は楽しいことではありませんが、問題は起きてからでは遅いのです。今のうちからできる事全てに手を打ち続けていかなければなりません。
分かっていれば対策が打てます。そうすれば事故ではなく事象に抑えられるはず。不安をあおってパニックを起こすつもりはありません。まず冷静に現状を把握し、行動を起こしましょう。